CBDとは
CBD(カンナビジオール)は、大麻草から抽出される成分の1つです。精神活性作用や依存性はなく、医療・健康・美容において様々な有用性が報告されています。
また、CBDは糖尿病の治療や予防に対しての有用性も示されています。
ここではCBDは糖尿病に対してどのような効果が期待できるのか、また、どのような研究結果や事例があるかを紹介いたします。
糖尿病とは
糖尿病は、インスリンが十分に働かないために、血液中を流れるブドウ糖という糖(血糖)が増えてしまう病気です。インスリンは膵臓から出るホルモンであり、血糖を一定の範囲におさめる働きを担っています。※1
血糖の濃度(血糖値)が何年間も高いままで放置されると、血管が傷つき、将来的に心臓病や、失明、腎不全、足の切断といった、より重い病気(糖尿病の慢性合併症)につながります。※1
CBDが糖尿病の治療や予防に期待される理由
CBDは糖代謝とインスリン感受性の調節に役立つ
エンドカンナビノイド・システム(ESC)とは、脳や内臓、免疫系、食欲、睡眠、ストレス、記憶、気分など、様々な生体機能を管理・調節する身体調節機能のことです。CBDの摂取によりESCが改善され、糖代謝とインスリン感受性の調節にも重要な役割を果たします。※2
※インスリン感受性:インスリンが血糖低下作用を発揮する状態。
CBDの抗炎症作用がインスリン抵抗性が生じるのを防ぐ
糖尿病になると、身体のインスリンに対する感受性が鈍くなります。インスリン抵抗性は炎症の引き金となり、炎症がひどくなればインスリン抵抗性がさらに高まりる、という悪循環に陥ります。CBDの抗炎症作用はこの悪循環を断ち切るのに役立つ可能性があります。※2
※インスリン抵抗性:さまざまな原因でインスリンによる血糖低下作用が弱まること。
CBDは慢性的なストレスを軽減させる
CBDにはストレス作用があります。長期間にわたって強いストレスを感じていると、コルチゾールが増加し、脂肪の蓄積が促進されて高血糖に繋がり、2型糖尿病を発症するリスクが高まります。※2
CBDは体重減少に役立つ
CBDには代謝促進や食欲減退の作用も報告されています。体重の減少により、2型糖尿病発病のリスクは低くなり、また、すでに罹患している人の症状を改善させます。特に、2型糖尿病と関係が深いメタボリック症候群の場合に当てはまります。過剰なお腹の脂肪はホルモンバランスを崩し、インスリン抵抗性や糖尿病発症のリスクを高めます。※2
研究結果や事例の紹介
・2006年、イスラエルでの研究では、CBDが実験用ラットの糖尿病罹患率を低下させました。※2
・2019年、Project CBDの調査では、糖尿病のためにCBDを使用している人に、CBDを摂り始める前と後の平均血糖値を尋ねました。CBDを摂り始める後は血糖値の大幅な改善が見られ、平均178から130に下がっていました。さらに血糖値の改善に加え、神経痛や手足の疼きや痺れなども大きく改善していました。また、健康的な体重をより上手く維持することができるようになった人もいました。※2
気をつけること
CBDは、メトホルミンなどの一般的な糖尿病治療薬の血糖効果作用を阻害する可能性があります。処方薬で症状を管理している人は、CBDを摂り始める前に必ず主治医に相談してください。※2
まとめ
- CBDには、糖代謝の調節、インスリン感受性の調節、ストレス軽減、代謝促進、食欲減退などの作用があり、糖尿病の治療や予防に対しての有用性が示されている。
- 処方薬を摂っているがCBDの摂取も始めたいという方は、必ず主治医に相談すること。
出典・参考
※1:国立国際医療研究センター 糖尿病情報センター 「糖尿病とは」
※2:リーダーズ・ダイジェスト編集部. Project CBD. CBDエッセンシャルガイド. 晶文.