CBDとは
CBD(カンナビジオール)は、大麻草から抽出される成分の1つです。精神活性作用や依存性はなく、医療・健康・美容において様々な有用性が報告されています。
また、CBDは認知症に対しての有用性も示されています。
ここではCBDが認知症に対してどのような効果が期待できるか、また、どのような研究結果や事例があるかを紹介いたします。
認知症とは
認知症とは、様々な脳の病気により、脳の神経細胞の働きが徐々に低下し、認知機能(記憶、判断力など)が低下して、社会生活に支障をきたした状態をいいます。※1
2012年は65歳以上の7人に1人が認知症でしたが、2025年には65歳以上の5人に1人が認知症になると予測されています。※2
認知症関連の症状には下記のようなものがあります。アルツハイマー病は、認知症の中で最も多く、脳神経が変性して脳の一部が萎縮していく過程で発症します。次に多いのが血管性認知症で、脳梗塞や脳出血などの脳血管障害によって発症します。※2,3
- アルツハイマー病
- 血管性認知症
- レビー小体型認知症
- パーキンソン病
- 前頭側頭型認知症
- ハンチントン病
認知症の予防や改善に期待される効果
CBDは神経細胞を保護する
CBDが持つ抗酸化作用と抗炎症作用によって、CBDは強力な神経保護物質となります。※3
CBDは新しい脳細胞の生成を助ける
CBDは、脳由来神経栄養因子(BDNF)の産生を増加させることがわかっています。BDNFとは、簡単に言うと脳にとっての栄養剤で、体内で自然に生成されるタンパク質です。BDNFは新しい神経細胞の生成を促し、現存する脳細胞の健康状態を改善します。また、神経細胞間のつながりの形成と維持にも貢献します。※3
CBDはグルタミン酸の興奮毒性を軽減させる
グルタミン酸は脳の興奮性神経伝達物質として主要なものです。神経の過剰な興奮は、神経細胞を傷つけたり破壊したりします。CBDは脳卒中や脳の外傷、またアルツハイマー病などの神経変性疾患に伴うグルタミン酸の興奮毒性を軽減させます。※3
研究結果や事例の紹介
・イギリスの医学雑誌『Philosophical Transcations of Royal Society』誌は、「カンナビノイドは分子レベルでニューロンを保護する」、「正常な脳の廊下に関与する神経炎症の家庭と神経変性疾患の発症のどちらもカンナビノイドによって抑制される」と述べています。※3
・2017年、『Frontiers in Pharmacology』誌に掲載された論文では、アルツハイマー病の動物モデルを使った実験において、CBDが認知症機能障害を改善・予防し、THCと組み合わせればさらに効果的である可能性があると述べています。※3
・ある基礎研究では、CBDが中枢神経に対する全般的な損傷を軽減させ、アルツハイマー病に伴う神経の炎症反応を抑制することを示しています。また、CBDが記憶の喪失を防ぎ、記憶の回復を助けることがあることも示されています。※4
まとめ
- 2025年には、65歳以上の5人に1人が認知症になると予測されている。
- CBDには神経保護作用、新しい脳細胞の生成促進作用、グルタミン酸の興奮毒性軽減の作用があり、認知症の予防や改善に期待されている。
出典・参考
※1:政府広報オンライン「知っておきたい認知症の基本」
※2:こころの情報サイト「認知症」
※3:リーダーズ・ダイジェスト編集部. Project CBD. CBDエッセンシャルガイド. 晶文.
※4:アイリーン・コニェツニー; ローレン・ウィルソン. CBDのすべて. 晶文社.