CBDとは
CBD(カンナビジオール)は、大麻草から抽出される成分の1つです。精神活性作用や依存性はなく、医療・健康・美容において様々な有用性が報告されています。
ここでは美容に期待される効果と研究結果を紹介いたします。
美容に期待される効果
日焼け・シミ予防
・ポーランドのビャウィストク医科大学のラットを使った研究では、CBDが紫外線の有害な影響から保護する効果が発表されています。この研究では、UVA、UVBを照射したラットにCBDの軟膏を塗布したところ、ケラチンの増加やシグナル伝達タンパク質の発現により、紫外線によるダメージに対する抗炎症作用や抗酸化作用が確認されました。※1
ニキビ・アトピーの予防や治療
・CBDには、抗炎症作用、抗菌作用、皮脂腺の活動抑制作用があり、ニキビの治療や予防に有用であるとされています。※2
・ハンガリーの研究者が発表した論文は、細胞による皮脂の過剰な分泌をカンナビノイドが抑えたことを示し、CBDは強力で「万人に効く」抗ニキビ剤であると述べています。CBDはまた、細胞内で抗炎症反応を発揮し、ニキビの原因となり得るタンパク質を活性化させるのを防ぎました。※3
・大麻草に含まれる活性成分の多くがニキビの治療に有用なことが示されており、中でもCBDは刺激性のないニキビの治療法として非常に有望とされています。※1
・『Clinical Therapeutics』誌で報告された試験では、CBDによって乾癬とアトピー皮膚炎の症状が大幅に改善されました。※3
お肌の水分量の増加、シワ防止
・肌にはアクアポリン3という、肌の水分量を調整する働きのあるタンパク質があり、CBDにはアクアポリン3を増やす作用があることがわかっています。アクアポリン3を増やすことで、水分量が増え、弾力やハリ感のある肌を手に入れることができます。※1
・星薬科大学のマウスを使った試験では、マウスの皮膚にCBD1%の溶液を14日間塗布したところ、アクアポリン3の増加が認められ、水分量が増加しました。※1
美髪、頭皮の健康維持
・頭皮のかゆみや赤みを伴う頭皮の炎症に対しては、CBDが持つ抗炎症作用が有効です。※1
・2020年、ハンガリーのデブレツェン大学は、CBDはアデノシンを活性化させ、抗炎症作用をもたらすと報告しています。アデノシンは発毛促進因子のFGF-7の産生を高め、ヘアサイクルを正常に戻す働きがあるため、CBDには育毛を促進する可能性が示唆されています。※1
・CBDには血行を促進し、筋肉や皮膚のコリをほぐす効果もあると言われています。※1
抜け毛・薄毛対策
・アメリカの実験では、男女35人に対して1日1回のCBDの局所投与を6ヶ月間行ったところ、頭頂部では男性が120.1%、女性が64%、側頭部では男性が74.1%、女性が55.2%増加したことが報告されています。※1
ダイエット
・CBDはミトコンドリアの生体エネルギーを高め代謝を促進させることが解明されています。代謝が活性化することで、皮下脂肪の減少に期待できます。※1
歯・口腔の健康維持
・2020年、ベルギーの研究者によって発表された論文では、CBDなどのカンナビノイドは、市販のオーラルケア製品よりも、歯垢の中の細菌コロニーの数を減少させるの効果的であることを報告しています。※1
睡眠の改善による成長ホルモンの分泌促進
・CBDが睡眠の質を改善することで、睡眠時の成長ホルモンの分泌に効果的であると考えられています。成長ホルモンは傷ついてしまった細胞の修復や疲労回復など様々な働きがあり、肌や粘膜のような細胞分裂が活発な部位では必要不可欠なホルモンです。加齢やストレスによって成長ホルモンの分泌量が減少すると、肌の細胞分裂がスムーズに行われなくなり。ターンオーバーが乱れてしまいます。そのため、寝不足が続くと肌がカサカサしたり、ハリがなくたってしまったり、吹き出物が出るなど、肌荒れが起きやすくなります。※1
気をつけること
良質な製品を選ぶ
CBD製品の品質は様々です。高品質なCBD製品もあれば、そうでないものもあります。必ず、CBDの含有量が記載されているか、分析証明書(COA)を見ることができるか、不要な添加物が含まれていないか、信頼できるお店かを確認して購入してください。
効果的な製品を選ぶ
肌から直接CBDを摂取する際は、化粧水やクリーム、ボディオイルなどがおすすめです。シャンプーやボディソープなど、短時間しか肌に接触しないものはCBDの効果を十分に得られない可能性が高いため、あまりおすすめはしません。
まとめ
- CBDには、美肌、美髪、ダイエット、歯の健康など、美容分野において様々な有用性が報告されている。
- CBD商品を購入する際は必ず、CBDの含有量が記載されているか、分析証明書(COA)を見ることができるか、不要な添加物が含まれていないか、信頼できるお店かを確認する。
- 肌から直接CBDを摂取する際は、化粧水やクリーム、ボディオイルなどがおすすめ。短時間しか肌に接触しないシャンプーやボディソープなどはおすすめしない。
出典・参考
※1:栄養書庫編集部. Nutrient Library-32 CBDの美容力. ニュートリエントライブラリー.
※2:アイリーン・コニェツニー; ローレン・ウィルソン. CBDのすべて. 晶文社.
※3:リーダーズ・ダイジェスト編集部. Project CBD. CBDエッセンシャルガイド. 晶文.