CBDオイルとは
大麻草から抽出されるCBD(カンナビジオール)を含んだオイルです。精神活性作用や依存性はなく、医療・健康・美容において様々な有用性が報告されています。経口摂取、舌下投与などで体内に取り込み使用します。
CBDに期待される効果
医療・健康における効果
- 抗炎症作用
- ストレス軽減作用
- 睡眠の改善
- 抗不安作用
- 不安障害とうつ病の改善
- 心的外傷後ストレス障害(PTSD)の改善
- 自己免疫疾患の改善
- 癌に関連する症状の緩和
- 抗腫瘍効果
- 神経変性疾患(パーキンソン病、アルツハイマー病、ハンチントン病など)
- 後天性脳障害の治療補助
- てんかんの治療
- 薬物依存症の改善
- オピオイド依存の改善
- 鎮痛作用
- 偏頭痛の改善
美容における効果
- 抗酸化作用
- アンチエイジング
- リバースエイジング(若返り)
- 日焼け・シミの予防
- ニキビ・アトピーなどの改善
- 潤い効果、シワ予防
- 美髪、頭皮の健康
- 抜け毛・薄毛対策
- ダイエット、代謝促進
- 歯・口腔の健康
- 成長ホルモンの分泌促進
- 疲労回復
CBDの副作用
基本的に副作用はない
CBDの副作用について行われた研究は多くありませんが、通常の体機能に障害を起こすことはないとされています。※1
また、CBDは心拍数、血圧、体温、変化などの生理学的指標にも影響せず、消化管にも作用を及ぼさず、精神的な作用も持たないことが報告されています。※2
ただし、下記の通り副作用が報告されている事例もあります。
てんかんと精神障害の治療においての報告
てんかんと精神障害の治療に関する臨床試験では、患者に対して次の副作用が報告されています。※1
ただし、これらがCBDによるものなのか、それ以外(抗てんかん薬に含まれるバルプロ酸ナトリウム、臨床試験に使用された医薬品に含まれるスクラロースなど)によるものなのかはわかっていません。
- 疲労感
- 下痢
- 体重または食欲の変化
粗悪品の使用による報告
粗悪なCBD製品を利用した人からは、頭痛などの軽い副作用が報告されることがあります。
消費者アンケート
2019年、アメリカのCBD製品の消費者へ、CBDに関する様々なアンケートが取られています。その結果、CBDの副作用に関する質問について、「副作用を経験していない」という回答は85.7%でした。また、副作用を経験した人のうち最も多かったのは「眠気(47.2%)」と「口の渇き(47.2%)」でした。※3
これらの結果は、製品の規格も仕様も消費者によって様々であるため、CBD以外の要因が影響している可能性も考えられます。
CBDは安全か?
以下の報告の通り、CBDは安全であると考えられます。
- CBDの安全性と有効性を確認するための臨床研究によると、CBDは忍容性が高く、安全性も良好とされています。※4
※忍容性とは、副作用が被験者にとってどれだけ耐え得るかの程度を示したもの。「忍容性が高い」ということは、副作用が比較的軽く、十分に許容できる程度であるということ。 - CBDは心拍数、血圧、体温、変化などの生理学的指標にも影響せず、消化管にも作用を及ぼさず、精神的な作用も持たないことが報告されています。※2
- 動物実験において、極めて高用量を投与しない限り、様々な生理学的・生化学的パラメータにも、行動にも、CBD単独では影響を及ぼさないことが報告されています。※5
気をつけて欲しいこと
良質な製品を選ぶ
CBDは忍容性が高く、副作用のリスクが低いとされておりますが、世の中に出回っているCBD製品の中には、品質の良いものもあれば、そうでないものもあるのが実情です。品質が良くないものに関しては、CBDやTHCの分析結果が実際の数値と異なっていたり、重金属が含まれていたりします。そのため、どの製品を選ぶかが非常に重要です。
薬物間相互作用の可能性
処方薬を摂っているがCBDの摂取も始めたいという方は、薬物間相互作用が起こる可能性にお気をつけください。シトクロムP450ファミリーと呼ばれる一連の肝酵素があり、私たちが摂取する医薬品の約60%を代謝しています。高用量のCBDはこれらの肝酵素の働きを阻害するため、P450に代謝される処方薬の作用持続時間が長くなり、処方薬の効果が高まります。残念ながら、医薬品または摂取する人によってCBDの影響を受ける度合いや閾値が異なりますので、このくらいなら薬物相互作用を避けられる、というCBDの標準的な用量というものは存在しません。したがって、処方薬を摂っているがCBDの摂取も始めたいという方は、必ず医師に相談してください。※1
まとめ
- CBDは安全性が高く、医療・健康・美容において様々な有用性が報告されている。
- 副作用は基本的にない。ただし、特定の疾患がある場合や粗悪品を使用した場合は副作用が発生する可能性がある。
- 処方薬を摂っているがCBDの摂取も始めたいという方は、必ず医師に相談する。
- 製品によって品質は大きく変わるため、安全で信頼できる製品を選ぶことが重要。
出典・参考
※1:アイリーン・コニェツニー; ローレン・ウィルソン. CBDのすべて. 晶文社.
※2:渡辺 正仁, 早崎 華, 由留木 裕子, 渡辺 克哉;カンナビジオールの治療効果とその作用機序
※3:The CBD Insider 2019 US CBD Consumer Report. The CBD Insider Published on April 19, 2020
※4:WHO Expert Committee on Drug Dependence. 世界保健機関(WHO)
※5:リンダ・パーカー; エリン・ロック; ラファエル・ミシューラム. CBDの科学. 築地書館.