CBDとは
CBD(カンナビジオール)は、大麻草から抽出される成分の1つです。精神活性作用や依存性はなく、医療・健康・美容において様々な有用性が報告されています。
CBDは抗不安作用があることでも有名です。
ここではCBDが不安やストレスに対してどのように作用するのか、また、どのような研究結果や事例があるかを紹介いたします。
抗不安作用が発生する仕組み
CBDはエンドカンナビノイド・システム(ECS)を調整する
ECSは睡眠、食欲、ストレス、気分、記憶、消化機能、心臓血管機能など、様々な生体機能を管理しています。ECSの働きを調整することにより、人間に起きる疾患のほとんど全てに治療効果を発揮する可能性があると言われています。※1
CBDは5-HTIAというセロトニン受容体を直接活性化させる
セロトニンは別名「幸せホルモン」とも呼ばれ、精神を安定させる働きがあります。セロトニンが不足すると、イライラや不安・恐怖などのストレスを感じやすくなります。※1
体内で生成されるGABAとGABA受容体の結合を促進する
GABAは脳内の神経伝達物質で、精神安定作用があります。その他にも、血圧降下作用、成長ホルモンの分泌促進作用などがあります。※1
研究結果や事例の紹介
・2015年『Neurotherapeutics』誌に掲載された、49本の論文の分析結果は、パニック障害、全般性不安障害、強迫性障害、社会不安障害を含む様々な不安障害の治療薬としてCBDが適切であることが科学的に裏付けられていると結論しています。同誌のレビュー論文の著者らは、CBDアイソレートを300〜600mg摂ると、実験的に誘発させた不安感を低減させたと報告しています。※1
・『Journal of Psychopharmacology』に掲載された論文では、社会不安障害のある数名の被験者に、400mgのCBDまたは偽薬のカプセルを与えてから脳活動をスキャンし、不安の程度を自分で評価してもらいました。後日、被験者にもう一度この試験を繰り返してもらい、今度は偽薬カプセルとCBDを前回と逆にして与えました。被験者は、偽薬を与えられたときよりもCBDを与えられたときの方が不安感が有意に低く、脳活動のスキャンは、CBDを摂った後に感情や不安感の調整を司る辺縁領域の活動が変化することを示していました。※1
・2019年、Project CBDが行ったアンケートでは、気分障害のためにCBDを使っている人のうち、不安を感じていると答えた人は90%にのぼりました。そのうち、CBDを摂って不安がある程度楽になった人が92%、「ずっと楽」になった人が68%でした。※1
まとめ
- CBDには、抗不安作用や精神安定作用がある。
- CBDには、(1)エンドカンナビノイド・システムを調整する働き、(2)セロトニン受容体を活性化させる働き、(3)体内で生成されるGABAとGABA受容体の結合を促進する働きがある。
出典・参考
※1:リーダーズ・ダイジェスト編集部. Project CBD. CBDエッセンシャルガイド. 晶文.