CBDとは
CBD(カンナビジオール)は、大麻草から抽出される成分の1つです。精神活性作用や依存性はなく、医療・健康・美容において様々な有用性が報告されています。
ここではCBDがアルコール依存症や薬物依存症に対してどのような効果が期待できるかを、様々な研究結果や事例とともに紹介いたします。
依存症に対して期待される効果
神経細胞の保護
・アルコール依存症による重大な影響に神経細胞の変性がありますが、CBDはこの影響から神経細胞を保護することが示されています。※1
・動物実験において、CBDがアルコールによる肝臓の損傷を軽減することが示されています。※1
衝動性の抑止
・動物実験において、CBDが薬物探索行動、不安神経症、依存症によく見られる衝動性を抑止できる可能性を示唆しています。※1
・人を対象とした臨床試験では、被験者が煙草を吸いたいと感じたときにCBDを吸入すると、一日の煙草喫煙本数が40%減り、CBDが禁煙に非常に効果的であることが示されています。※1
依存症再発の抑制
・2017年『Journal of Addiction Biology』誌に報告されている動物実験では、ヘロイン依存のラットにCBDを与えたところ、ラットはヘロインに興味を示さなくなりました。※2
・2009年のある論文では、ヘロイン依存に関するキュー(トリガー)をCBDが抑制することを示しました。※2
・ヘロイン依存の再発を減少させるためにCBDを使用した臨床試験では、被験者が高用量の純粋なCBDアイソレート(400〜800mg)を摂ったところ、ヘロインと関連するものがトリガーとなってヘロインを摂取してしまう可能性が劇的に低下しました。同時に、禁断症状がある間に起こりがちな極度の不安感や不快感も軽減されました。CBDを3日摂ると、効果は最長1週間持続し、この結果は実験室で動物実験で見られる結果に類似したものでした。※2
・2019年、Project CBDが世界58カ国3,506人に対して行ったアンケート調査では、アルコール依存に対処するためCBDを摂っている人の約半数が、CBDを使い始めてから飲酒をやめたと答え、45%は飲酒量が減っていました。※2
・CBDはオピオイド薬の離脱症状を軽減させる方法としても注目されています。※1
抗不安作用・ストレス軽減
・CBDにはエンドカンナビノイド・システム(ECS)を調節する作用があります。ECSが正常に機能することで、ストレスを軽減し、肉体的・精神的な健康を促進します。また、ECSは必要な記憶と同時に、覚えておく必要のないことを忘れる「記憶の消去」も司っています。※2
・多数の動物実験や不安障害の患者からの事例証拠が、CBDには強力な抗不安作用があることを裏付けています。※1
まとめ
- アルコール依存症や薬物依存症に対してCBDの有効性が示されている。
- CBDには、神経細胞の保護、衝動性の抑止、依存症再発の抑制、抗不安作用、ストレス軽減の効果が期待できる。
出典・参考
※1:アイリーン・コニェツニー; ローレン・ウィルソン. CBDのすべて. 晶文社.
※2:リーダーズ・ダイジェスト編集部. Project CBD. CBDエッセンシャルガイド. 晶文.